家を買うべきか?迷ったらpart5~賃貸と持ち家の違い~

家を買うべきか?迷ったら part5 ~賃貸と持ち家の違い~
不動産知識
賃貸と持ち家の違い

それでは賃貸と持ち家のメリット・デメリットを比較しながら、それぞれの違いについて説明していきます。

住宅支出を支払うペース

賃貸と持ち家の違いは、住宅支出を支払うペースです。

仮に賃貸と持ち家の支払う金額がほぼ同じくらいだったとしても、賃貸はずっと一定のペースで支払いが続きます。

持ち家であれば、現役世代に賃貸よりも多く支払う傾向になりますが、老後は住宅ローンが終わっているので、固定資産税等の税金や修繕費用などの所有コストだけで済みます。

今後、もらえる年金額は間違いなく減っていく中で、持ち家であれば最悪なんとかなりますが、賃貸の場合は一生賃料を払い続けていかなければいけません。

良く老後の貯金はいくらあったほうがいいか、という議論もありますが、持ち家と賃貸の人では全く違ってきます。

アリとキリギリスの話によく似ている気がしますが、賃貸の方は持ち家の方よりも多くの預貯金を持っていないと老後破綻の可能性が高くなります

その点は気を付けておくべきでしょう。

セーフティネットの有無

賃貸と持ち家の一番の違いはセーフティネットではないでしょうか。

団体信用生命保険

セーフティネットで一番にあがるのは、団体信用生命保険です。

これは銀行が住宅ローンを借りる人を対象とした保険で、もし万が一、借りた方に何かあったときに、保険で住宅ローンを完済する仕組みです。

銀行が保険契約者で、住宅ローンを借りる方が被保険者となるので、対象者がかなりの人数になることにより保険料も個人で生命保険に入るよりもかなり割安です。

また最近では死亡・高度障害以外にも、3大疾病から8大疾病まで対象の病気を幅広くしたものや、がんと診断されたら保険が適用されるといった支払われやすい商品など、幅広く出ています。

もし住宅ローンを借りた人に万が一のことがあっても、団体信用生命保険があれば、残された家族に住居だけでも残すことができます。

賃貸では、いくら一家の大黒柱に万が一のことが起ころうとも賃料を支払い続けなければいけません。

住宅ローンの減免制度

少しマニアックかもしれませんが、知っておくのと知らないのとでは、いざという時に大きな違いを生む制度です。

減免とは辞書で調べると、「負担を軽くし、または全く除くこと。軽減と免除。」と書いてあります。

住宅ローンの減免制度とはその名前の通り、住宅ローンを無かったことにしてしまう制度です。

いきなりこんなことを言われても戸惑ってしまうと思うので、経緯をお話します。

2011年3月に発生した東日本大震災では、揺れや津波によって多くの家屋が被害にあいました。

生活を再興していくうえで、津波で流されてしまったり、倒壊したりして住めなくなった家は、再度立て直したり、買い直したりしなければいけません。

しかしもともと住宅ローンがあった状態では、二重ローンになってしまうので、生活の復興の妨げになってしまう可能性がありました。

そこで政府は、一定の条件のもと、被災して家を無くしてしまった人の住宅ローンを無かったことしてしまう減免制度を特別法として施行しました

無かったことになるので、個人信用情報などにも残りません

しかもこれは住宅ローンだけでなく、自動車ローンなどにも適用されるのです。

そして、2016年4月に発生した熊本地震を機に、特別法から一般法になりました。

つまりこれからも起こると言われている大地震がありますが、その際にこの減免制度が利用できるようになっているのです。

ただ熊本地震の時も周知があまりされていなくて、利用率が低かったことが問題になっています。

何かあったときに、こういった制度を知っている人が周りにいると心強いですね。

金融円滑化法

金融円滑法とは、2009年のリーマンショック発生時の大不況の最中にできた特別法です。

リーマンショックは世界中を巻き込んだ大不況で、法人・個人に関わらず多くの人が仕事を失ったり、収入が減りました。

そんな状況の中、支払いに窮する方も多くでてきたため、政府が金融機関に対して、支払いの相談があれば、必ず相談に乗りなさいという強制力のある法律(特別法)を施行しました。

この法律によって金融機関はリスケジュールなどの対応で、柔軟に支払い条件の相談に応じるようになりました

金融円滑化法は、2013年にその役割を終えましたが、金融庁は金融機関に対して、同じような対応を続けるようにとお達しを出しています。

たとえば三菱UFJ銀行のホームページ上にも以下のような文面が残っています。

「中小企業」となっていますが、個人にも適用されます。

一次的に収入が減りそうなときに、住宅ローンであれば返済条件等の相談ができますが、賃貸ではそんな相談はかなりハードルが高いです。

知らなければ使えませんが、持ち家には賃貸にないセーフティネットがたくさん用意されていることを知っておいてください。

施工事例