「家族が増えて住んでいるマンションが手狭になったので、広い一戸建てに引っ越したい」 「地方への転勤が決まったため、売却を検討している」 「子供たちが巣立ったので、もう少し便利でコンパクトなマンションに住み替えたい」など、 不動産を売却する理由は人それぞれです。
そこで今回は、売却時に不動産仲介会社と結ぶことになる媒介契約を取り上げ、専任媒介契約をはじめ、媒介契約ごとのメリットやデメリットなどについてご紹介します。
媒介契約を結ぶ理由は?
売却時には「宅地建物取引業法第34条の2」に基づいて、売却を依頼する不動産仲介会社と媒介契約を結ぶことが義務付けられています。 口約束で仲介をお願いする時代がありましたが、スムーズに売却が進まず、売主がさまざまな不動産会社に売却を依頼することでトラブルに発展してしまうことが多くありました。
そこで、トラブルを未然に防ぐために、媒介契約の締結が義務付けられました。 媒介契約を結ぶことで、不動産仲介会社は不動産ポータルサイト、自社ホームページ、チラシ、オープンハウスなどを利用して販売活動を行い、購入希望者を広く募っていきます。
一口に媒介契約といっても「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類の契約形態があります。
メリット・デメリットで見る、媒介契約の選び方
媒介契約に専任媒介契約、専属専任媒介契約、一般媒介契約があるのはお伝えしましたが、どの媒介契約を選択するといいのでしょうか。 ここでは、媒介契約ごとのメリット・デメリットを紹介します。
★専任媒介契約
専任媒介契約のメリットは、媒介締結後7営業日以内にレインズの登録が義務付けられているため、情報が回りやすい点です。 2週間に1回以上の販売活動状況の報告義務もあるため、売主側も販売状況を定期的に把握できます。 また、売却の窓口が1社に絞られるので、不動産会社の営業担当者も販売活動に力が入ります。 自分で見つけた買主との売買契約が可能で、専属専任媒介契約に比べるとしばりは緩くなっています。 デメリットとしては、複数の不動産会社へ依頼できないことです。
★専属専任媒介契約
専属専任媒介契約のメリットは、媒介締結後5営業日以内にレインズの登録が義務付けられているため、専任媒介同様に情報が回りやすい点です。 売主への報告義務も1週間に1回以上と多く報告義務があります。 こちらも、1社に一任するのでしっかりと販売活動をしてもらえます。
デメリットは、複数の不動産会社へ依頼できないこと、買主を自ら見つけても売買契約ができないことです。
★一般媒介契約
一般媒介契約のメリットは、複数の不動産会社に頼めることで、窓口となる不動産会社をいくらでも作ることができることです。
デメリットは、レインズの登録義務や販売活動の報告義務がないので、不動産会社の活動がわかりづらい点です。 複数の不動産会社に頼める一般媒介では、必ずしも自社で成約できるわけではないので、 不動産会社によっては広告費を掛けてもらえないなど、積極的に販売活動を行わないこともあり、なかなか売却活動が進まないことがあります。
それぞれに、メリットとデメリットがあるので、一体どの媒介契約を選択したらいいの? と迷ってしまう方も多いと思います。 大切なのは、売却にあたってご自身の希望条件を明確にしておくことです。 そうすれば、条件をかなえるためにどの媒介契約を選択すればいいのかが見えてくるのではないでしょうか。
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