投資家でなくても「不動産投資をやってみたい」と考えている方は決して少なくありません。 資金がないと始めることができませんが、条件を満たせば不動産投資専用のローンを利用することが可能です。
そこで今回は、「不動産投資ローン」について、利用する際の流れや注意点をご紹介します。
「不動産投資ローン」とは?
不動産投資は、購入した不動産の売却や家賃収入によって利益を得ることです。
投資の対象が不動産であることから一定の資金が必要となるため、専用のローンが存在します。 それが、「不動産投資ローン」です。投資用マンションやアパートなど、投資を目的とした不動産を担保にすることで、金融機関から融資を受けることができます。
不動産を購入する際のローンとしてよく聞くのは「住宅ローン」ですが、投資を目的とする場合は、審査基準や金利が異なる「不動産投資ローン」を利用することになるため、注意が必要です。
審査基準として、住宅ローンの場合は本人の返済能力を重視しますが、不動産投資ローンの場合は事業としての採算性が重視されます。 また、借入金額は一般的に年収の5倍までが目安と言われています。
不動産投資ローンを利用する際の流れ
【1】仮審査(事前審査)申し込み
必要事項を記入して、金融機関に仮審査申し込みをします。仮審査に書類の提出が必要な場合もありますので、あらかじめ確認をしておきましょう。
【2】必要書類の用意
仮審査が通ると本審査への連絡とともに、必要書類の指示があります。 必要な書類は金融機関によって異なるケースがありますが、一般的には以下のような書類が必要となります。
<申込者本人に関する書類(市役所や勤め先などに依頼して事前に準備しておく)>
・金融機関指定の不動産投資の融資申込書
・運転免許証やパスポートのなどの本人確認書類
・実印
・印鑑証明書(3カ月以内に発行されたもの)
・住民票(3カ月以内に発行・家族全員の記載があるもの)
・直近3期分の納税証明書
・直近3期分の源泉徴収票、確定申告書
・所有資産に関する資料
・既存の借り入れがある場合、その返済予定表
<物件に関する書類(不動産会社に依頼する)>
・物件概要書
・レントロール(家賃表)
・登記簿謄本
・地積測量図
・平面図(物件概要書に含まれる場合もあり)
・間取り図面(物件概要書に含まれる場合もあり)
・固定資産税評価証明書
・建築確認通知書・検査済証
・重要事項説明書・売買契約書の写し
【3】金融機関の担当者と面談
必要書類を用意したら金融機関へ出向きます。担当者に書類を提出し、確認しながら面談を行います。 事業内容や事業計画などについて質問されるので、目的や採算性についてしっかりと整理しておきましょう。
また、金融機関によっては電話で面談を行い、書類を郵送で提出するケースもあります。
【4】金融機関による審査
提出した書類に不備がなければ、面談結果と照らし合わせて金融機関が審査を行います。
【5】審査結果の通知
不動産投資の融資可能と判断されると、金融機関より融資決定の通知が届きます。
【6】契約の締結
融資決定通知を受けたら、抵当権設定契約・金銭消費貸借契約・団体信用生命保険などの契約を締結します。 連帯保証人が設定されている場合は、この手続き時に同行してもらいます。
契約時には、一般的には以下のような書類などが必要となります。
・実印
・印鑑証明書(3カ月以内に発行されたもの)
・申し込みする本人名義の口座通帳・銀行届出印
【7】融資の実行
手続きが完了すると、不動産投資の融資が実行されます。
不動産投資ローンを利用する際の注意点
諸経費は自費で準備する必要がある
不動産投資ローンを利用する際の注意点として、物件購入時に掛かる諸経費については融資の対象外だということを覚えておきましょう。 この諸経費とは、仲介手数料や登記費用、融資手続き費用などを指しており、一般的には物件価格の5~10%とされています。 諸経費については、自費で準備しておく必要があります。
また、物件価格の100%を借りることができず2~3割の頭金が必要になるケースもあります。
初期投資の可能性も認識しておく
不動産投資ローンの審査では、その物件に資産価値があるのかという点が重要なポイントとなります。 マンションやアパート経営で得る家賃収入からローンを返済していくことになるため、物件の評価が最も重視されるのです。
その物件に資産価値があり、評価が高いということは、空室率が低い物件だと言い換えることもできます。 そのため、物件によっては初期にリフォームを行ったり、最新の設備を導入したりするほうが良い場合もあります。 購入金額以外にも費用が掛かる可能性があるということも認識しておきましょう。
おわりに
今回は、「不動産投資ローン」について、利用する際の流れや注意点をご紹介しました。
不動産投資ローンは通常の住宅ローンとは異なります。 申込者は経営者として見られますので、家賃収入が見込まれ、きちんと返済計画が立てられる物件でないと融資可能と判断されません。 申込者の年収がいくら高くても収益を見込めない物件であれば、融資は難しいと判断されます。そのような点も踏まえて投資物件を選びましょう。
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