西東京市 ひばりヶ丘 リノベ不動産です。
親が所有している不動産を相続することになったときに、まず気になるのが相続税のことでしょう。
平成27年1月より相続税の基礎控除額が引き下げられたこともあって、相続税を支払う対象者数も増え、 親の不動産を相続した後に多額の相続税が請求されて困ってしまったという話も少なくありません。
そこで今回は、相続することになっても慌てないために、基本的な仕組みや相続税の計算方法をご紹介します。
相続を受ける人の順位と遺産分割の協議を行う
親の不動産などを相続した場合、法律により法定相続人が定められているのです。まずはそれをもとに、 誰がいくら相続するのかを決める遺産分割の協議を行います。
相続人の範囲は、死亡した方の配偶者が常に相続人となり、配偶者以外の方は、次の順位で配偶者と一緒に相続人となる決まりです。
第1順位は死亡した方の子供、その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人です。 第2順位は死亡した方の直系尊属(父母や祖父母など)。第3順位は死亡した方の兄弟姉妹、その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、 その方の子供が相続人となります。相続が放棄されると次の順位へ相続人が移行するのです。
法定相続人が相続を受ける割合も法律で定められており、配偶者や子供は1/2、配偶者と直系尊属(父母や祖父母)は 配偶者2/3・直系尊属1/3、配偶者がいない場合は子供が全て相続し、子供の人数で等分することになります。ただし、 遺言書があれば遺言書に記されている内容が優位となるため、有無もしっかり確認しましょう。
課税遺産総額を算出する
遺産としては、親の不動産相続(土地・建物)以外にも、現金、預貯金、小切手、株式、生命保険金 (受取人が被相続人の場合)、家具、車、貴金属、ゴルフ会員権、絵画、 骨董(こっとう)品、貸付品などのプラスになるもの、住宅ローン、借金、未払い金、税金などのマイナスになるものがあります。
プラスの遺産からマイナスの遺産を引いた残金が正味の遺産額です。相続人が3人と仮定した場合、正味の遺産額から 国で定められている基礎控除額(3,000万円+600万円×3(法定相続人の数))を引いた残金が課税遺産総額です。 生命保険金や死亡退職金の非課税限度額はそれぞれ500万円×法定相続人の数となり、こちらも控除の対象となります。
法定相続人ごとに各法定相続人の相続税を算出する
課税遺産総額を法定相続分で分割し、国で定められた課税価格に対する課税率と控除額の速算表から計算してください。
例を挙げると、課税遺産総額が8,000万円で法定相続人は妻と長男と長女の場合、
妻が4,000万円、長男が2,000万円、 長女が2,000万円相続し、妻は4,000万円×税率20%-控除額200万円=600万円、長男と長女は、2,000万円×税率15%-控除額50万円=250万円で 相続税の総額は1100万円です。
※税率と控除額は課税遺産総額により異なります。詳しくは国税庁のホームページを参照してください。
参考元: https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4155.htm
各人の税額を計算する
次に、各法定相続人の相続額を全て足して各人の税額を求めます。
例の数字で金額を計算すると600万円+250万円+250万円=1,100万円が相続税の総額です。
法定相続分で分割し、単純に計算した場合の相続税額は、妻は1,100万円×1/2=550万円、長男は1,100万円×1/4=275万円、長女は1,100万円×1/4=275万円となりますが、相続税総額が1,000万円を超えているケースでは、配偶者控除により、1億6,000万円もしくは配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い方の金額までは非課税です。したがって、妻の相続税は0円になります。
妻と同様に法定相続人が未成年者の場合も控除があります。6万円×(20歳?相続開始の年齢)=控除額です。 例に挙げた長女が18歳としましょう。その場合、控除額は6万円×(20歳?18歳)=12万円のため、相続税は275万円?12万円=263万円です。
おわりに
相続税の申請・納付は、相続が発生した日の翌日から10カ月以内に済ませなければなりません。
相続発生後はいろいろと忙しいかもしれませんが、まずは手続きを済ませるということを忘れないようにしましょう。 不動産を相続した場合は、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」といって、 期限から3年以内に売却すれば不動産の相続税の一部を取得費とすることができます。一定の要件を満たしていることが条件ですが、 今回ご紹介した計算方法なども含めて税理士に相談し、スムーズに進めてください。
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